ラストマイル物流に特化した物流ソリューション事業を展開するエニキャリ（東京都千代田区）は7月29日、ＪＲ九州商事と提携し、観光客手荷物のホテル当日配送サービスを開始した。ＪＲ博多駅から福岡市内ホテルへの直接配送により、「手ぶら観光」を実践。「オーバーツーリズム対策の一環」と同社。
これまでＪＲ九州とＪＲ九州商事では、オーバーツーリズムの防止、抑制に資する取り組みとして、博多駅での手荷物一時預かりや、由布院・別府方面へのキャリーサービスなどを実施してきた。昨今のインバウンドを含む観光客の増加により、手荷物の一時預かりカウンターが受け入れ上限に達するなどの状況が続き、さらなる観光客の利便性向上やオーバーツーリズムの解消を目指し、エニキャリとの提携に至った。
今回開始したサービスは、ＪＲ博多駅でスーツケースやボストンバッグなどの手荷物を預かり、福岡市中心部のホテルへ当日中に配送。福岡での「手ぶら観光」の実践を目指すというもの。ホテルへの直接配送を行うことで、一時預かり時の受け入れキャパシティ増大が可能となったほか、キャリーバッグ、スーツケースと人との接触、転倒事故の予防にもつながることも期待される。
サービスを利用する際は、博多駅預かりカウンターに設置された2次元バーコードをスマホで読み取り、専用サイトにアクセスして申し込みを行う。代金の支払い、手荷物の預け入れを行い、指定ホテルで手荷物を受け取るという流れで手続きが完了。サービスはインバウンド向けに多言語版も充実しており、日本語、英語、中国語（簡体字・繁体字）、韓国語に対応している。
今後両社は、ＪＲ九州を含めて貨客混載を通じた人流・物流サービスの持続可能性を図りつつ、九州観光を盛り上げるさまざまな取り組みを展開する予定としている。
