技術開発で観光立国の実現に尽力 日本イトミック


EIWX-G300A1

業務用電気給湯機器の企画、設計、開発、製造、販売など

1948年創業の国産初の老舗業務用電気給湯メーカーの日本イトミックは、給湯の電化を推進する第一人者として確固たる地位を築く。

昨今では、脱炭素・省エネの分野で高効率な電気給湯機器である業務用エコキュートや循環加温ヒートポンプなどで、カーボンニュートラルの目標達成にまい進する。

同社のマーケティング部次長の谷本洋太氏に、活動方針などを聞いた。

 ――旅館・ホテルの現状をどう捉えているか。

 谷本 コロナ禍の終息に伴い、インバウンドの増加が顕著で、宿泊施設においても今後の需要が高まっていると考える。また、慢性的な労働力不足の解消や高付加価値化の実現など、課題が山積していると思われる。

 

谷本氏

 ――宿泊市場向けの主力商品について説明を。

 谷本 給湯や飲料用のお湯を自動で提供する「ホットウォーターディスペンサーEHWDシリーズ」は、旅館・ホテルにおいても、ビュッフェ会場など飲料サービスの分野で熱湯を用いてオペレーションをする際に活用されている。

 ワンプッシュで90度以上の熱湯が出湯できるほか、お湯が減った後も段階的に給水と沸かし上げを行う特許取得の「ステップボイル」機能で熱湯の供給を継続する。貯湯量は14リットル。

 ――販売を強化する製品については。

 谷本 一昨年10月から展開する宿泊施設に特化した電気瞬間湯沸器「EIWX―G300A1」の活用を呼び掛けている。幅255×奥行き97×高さ397ミリとコンパクトサイズで、シャワー用途としてビジネスホテルを中心に導入されている。

 国内の宿泊施設の大半は、24時間施設内に湯を循環させて保温するセントラル給湯方式を活用している。常に湯を作り続けるため、一定のランニングコストを伴うと同時に、給湯用の配管にかかるメンテナンス費用も高額で、施設運営の足かせになっている。

 このEIWX―G300A1は、客室を中心とした給湯が必要な箇所に小型の給湯設備を配置する局所給湯方式を採用したため、貯湯タンク不要で、配管も短く、初期費用やメンテナンスに伴う費用を削減できる。

 さらに、安全弁を本体に内蔵し、配管をスマートにして、排水処理用の配管を不要にした。漏水時には本体の給水を遮断する「漏水検知機能」を標準装備したほか、60分の連続出湯機能を設けるなど安全面に配慮した。

 また、必要な分の電気しか使わず、維持費の抑制を図れるため、設置を検討してもらえれば。

 ――その他の製品は。

 谷本 既存設備の入れ替えなどの施設向けには、業務用エコキュート小型機15キロワットシリーズの「CHP―15H2」などの設置を推奨する。

 一昨年9月に販売を終えたモデルの後継機種で、加熱能力は15キロワット。給湯量は1日で最大20トンに対応し、小・中規模の宿泊施設をカバーする。

 さらに、既設のガスや重油などの燃料系ボイラーからエコキュートに変えることで、クリーンな給湯環境を構築できる。

 同時に、エコキュートは、多くの電力を使う昼間の時間帯に電気を使わず、電力使用量の少ない夜間に運転する。電力需要を夜間帯に移行させるピークシフトを実施することで電気料金を抑えることができる。

 そのため、施設のリニューアル時の入れ替え時には、商品選定の一つに挙げてもらえれば。

 ――今年の営業展開については。

 谷本 2月に東京ビッグサイトで開催される国際ホテル・レストラン・ショーでは「省エネ×節水×洗浄力UP」をコンセプトにした手洗い用の機器、洗い物やシャワーなどに適した機器を展示する。

 併せて、厨房用途の給湯にも対応した専業メーカーならではのラインアップを用意する予定。

 カフェコーナーも設けるため、2号館「2―P24」ブースまでぜひ足を運んでほしい。

 ――新春にあたり、旅館・ホテルへのメッセージを。

 谷本 本年も引き続き、業務用エコキュートの技術開発と普及を推進し、低炭素社会の実現に取り組む。宿泊市場向けに対しても、新たな製品の開発に着手し、観光立国の実現に尽力する方針。

EIWX-G300A1

 

日本イトミック

【本社】東京都墨田区押上1の1の2 東京スカイツリーイーストタワー24F
【創業】1948年3月
【事業内容】業務用電気給湯機器(温水器、給湯器、湯沸器、瞬間湯沸器、ボイラー、業務用エコキュート、給湯ユニット、水栓等)の企画、設計、開発、製造、販売およびメンテナンス
【資本金】1億円
【従業員】240人

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日本イトミック|業務用エコキュート・電気温水器・電気給給湯器


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