政府、待機要請やビザ停止
新型コロナウイルス感染症への対策で政府は9日、中国(香港、マカオを含む)、韓国からの入国時の待機要請、中国、韓国に対する査証(ビザ)の効力停止などの措置を始めた。中国は1月末から外国への団体旅行などを停止し、韓国は政治情勢に伴う訪日旅行控えが続く中ではあったが、一部で個人旅行などが続いていたことから、感染拡大の防止に向けて水際対策の強化に踏み切った。中国、韓国からの入国時の待機要請には日本人の帰国時も含まれ、日本と中国、韓国間の往来は大幅に限定される。
検疫の強化では、中国(香港、マカオを含む)と韓国からの入国者に対し、検疫所が指定する場所で14日間、外出せずに待機を要請する措置を始めた。中国、韓国を出発した航空機などによる入国者は、日本人をはじめ国籍を問わず対象となる。原則として中国、韓国を経由した便の入国者にも適用する。
待機場所は自宅、旅館・ホテルなど。ただし、待機場所までの移動には、鉄道や乗り合いバス、タクシーなどの公共交通機関を利用しないよう要請し、会社や家族などで自家用車などの移動手段を確保してもらう。
査証の制限では、中国、韓国向けに発給済みの一次・数次査証(ビザ)の効力を停止した。韓国、香港、マカオに対して行われていた観光客などへの査証免除(ノービザ)の措置も停止した。
中国(香港、マカオ含む)、韓国からの航空機の到着は、成田、関西の両空港に限定し、中国(同)、韓国からの船舶による旅客運送は停止するよう運航事業者などに要請した。
検疫強化、査証制限、到着空港の限定などの措置は、当面、3月末まで実施する。