九州7県などが申請していた「九州アジア観光アイランド総合特区」構想が15日、政府から特区指定を受けた。アジアから観光客を呼び込み、観光需要の喚起、消費の拡大を通じて地域経済の活性化を図ることになるが、実現に向け、特例措置や規制緩和を受けられるようになる。3月にも関係省庁と協議会を設け、具体的な話し合いが始まる予定だ。
同特区は7県と福岡市、九州観光推進機構が共同申請していた。特区指定により、九州全域で外国人観光客の受け入れ気運が高まることが期待されている。
政府は同日、特区指定に伴い、地域活性化方針を示した。国と地方で共有する包括的・戦略的な政策課題として、(1)アジアからの観光客誘致の促進(2)クルーズアイランド九州の推進(3)ニューツーリズムの拡大—を挙げ、解決すべき点を示した。
観光客誘致については特に需要の大きい韓国、中国語の通訳ガイド不足を解消するとともに、ピクトグラムの活用、多言語案内標識、観光案内所での外国語での観光案内など受け入れ態勢を整備し、外国語対応の充実を図るとした。
クルーズアイランドでは、港の整備やCIQの円滑な実施など客船が寄港しやすい環境づくりに言及。また、寄港地ツアーに一度に参加する2千〜4千人の観光客に対応するバスガイドなどの通訳案内人が必要となるため、地域ボランティアガイドの育成を求めた。
ニューツーリズムでは温泉や史跡巡りを取り入れたウォーキングコースの造成、産業遺産、医療・健康をテーマとした観光、環境関連技術を活用したエコツーリズムなど「九州地域特有の観光資源を生かし、外国人旅行者に向けた新たな観光スタイルを提供する」とした。