政府、旅館業の設備構造の基準見直しを規制改革計画に明記


 政府は、9日に閣議決定した「規制改革実施計画」に、旅館業に関する構造設備の基準の見直しを盛り込んだ。最低客室数の撤廃、玄関帳場の規制の見直しなどで、今国会で審議されている旅館業法の改正法案の成立、施行に合わせて実施する方針。

 旅館業法の改正法案は、旅館、ホテルに分かれている営業種別の「旅館・ホテル営業」への統合などが主な改正内容。法改正に合わせて設備構造の基準を定めた政令などを改正することになる。

 規制改革実施計画は、旅館業の構造設備の規制について「撤廃することができないかゼロベースで見直す。少なくとも、以下の見直しを行う」として次の項目を挙げている。

 (1)客室の最低数の規制は撤廃する。

 (2)寝具の種類の規制は撤廃する。

 (3)客室の境の種類の規制は撤廃する。

 (4)採光設備の具体的要件の規制は、建築基準法令に準じた規定に改める。

 (5)照明設備の具体的要件の規制は、数値による規制は撤廃し、定性的な表現に改める。

 (6)便所の具体的要件の規制は、数値による規制は撤廃し、定性的な表現に改める。

 (7)客室の最低床面積の規制は、ベッドの有無に着目した規制に改める。

 (8)入浴設備の具体的要件の規制は、規制の緩やかな旅館の水準に統一する。また、レジオネラ症などの感染症対策および利用者の安全などに必要な規制以外の規制は撤廃する。

 (9)玄関帳場の規制については、「受付台の長さが1・8メートル以上」などの数値による規制は撤廃する。また、ICTの活用などにより対面でのコミュニケーションに代替する方策について具体的に検討した上で、ICTの活用などによる適用除外を認める。

 
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