政府は6月27日、来年度に消費者庁を新設することを盛り込んだ消費者行政推進基本計画を閣議決定した。消費者行政に関連する法律の移管では、旅行業法を国土交通省と消費者庁の共管とした。今後の法案化作業の中で、旅行業法の共管に関する詳細が詰められる。
基本計画によると、旅行業法は、取引条件の説明など規制分野の企画立案を両省庁で行う。免許の登録、取り消し・命令などの処分、検査は、国交省の所管。消費者庁は処分の事前協議を受けることができ、勧告権を持ち、検査も実施できる。
都道府県が所管する旅行業法の事務は、地方自治法との関係を考慮し、事前協議、勧告、検査の内容を検討するとした。
消費者庁の設置で 担当大臣に要望書 JATA、ANTA
日本旅行業協会(JATA、金井耿会長)と全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長)は6月24日、岸田文雄・消費者行政推進担当大臣に両会長名による要望書を提出。消費者庁の設置に関しては、観光庁への関係者の期待が高まっているなかで、観光立国推進の取り組みに支障を来すことのないよう配慮を求めた。岸田大臣からは同日、「あってはならないもの」との考えが示された。
要望書ではまた、消費者庁が観光庁と共管する旅行業法の行為規制の企画立案について、「旅行市場の実態を踏まえたバランスある企画立案が迅速かつ機動的に行われるような運用を」と求めた。さらに、二重行政を避けるよう依頼した。共に、岸田大臣から理解ある回答を引き出した。