政府は5日、国や地方の財政支出13.2兆円、事業規模26.0兆円の経済対策を閣議決定した。東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上として、訪日外国人旅行者6千万人時代への基盤整備を盛り込んだ。補正予算や来年度予算、財政投融資などで施策を具体化する。
財政支出13.2兆円の配分は、▽災害からの復旧・復興と安全・安心の確保5.8兆円▽経済の下振れリスクを乗り越えようとする者への重点支援3.1兆円▽未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上4.3兆円。
訪日外国人旅行者6千万人時代への基盤整備では、20年の4千万人目標の確実な達成、25年の大阪・関西万博を経て、30年の6千万人を実現し、インバウンド需要を継続的に取り込む日本の成長基盤を強化することを掲げた。主な項目は次の通り。
首都圏空港の機能強化〈財政投融資〉(国土交通省)▽国際空港へのアクセス強化など〈財政投融資含む〉(同)▽クルーズ船の受け入れ環境の整備(同)▽オリパラ開催を起爆剤にした訪日プロモーション(同)▽観光地における新規市場の開拓・多角化に向けた実証事業(同)▽訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業(同)▽円滑かつ厳格な出入国審査体制、税関体制の整備(法務省、財務省)▽インバウンド需要拡大推進事業(経済産業省)▽大型映像作品ロケーション誘致の効果検証調査(内閣府)▽放送コンテンツ海外展開支援事業(外務省)▽海外日本語教育、日本語・日本文化の魅力紹介サポーター派遣事業(同)▽文化財の防火・防災対策(文部科学省)▽首里城火災を踏まえた沖縄振興特定事業推進費などによる沖縄の観光振興(内閣府、国土交通省)▽民族共生象徴空間「ウポポイ」における国立民族共生公園の整備、開業に向けた施策の充実など(国土交通省)