東北観光推進機構は7月30日、首都圏の中・高等学校と旅行会社を対象にした「東北教育旅行セミナー」を都内で開催した。東日本大震災後は東北への教育旅行の多くが中止となり、3年経った今も徐々に戻りつつあるが震災前までの水準には達していない。セミナーでは東北での教育旅行の事例を発表するなどして誘致をアピールした。
千葉県八千代市立大和田中学校は、山形県置賜地区で農業民泊体験を中心とした修学旅行を5月に実施。この事例を発表した同校の谷脇光教諭は「学校には良い子もいれば、指導が困難な子もいる。どの子にも民泊の方々は同じように接してくれて、全員が楽しかったと言って帰ってきたことが大きな成果」と話した。赤湯温泉「いきかえりの宿 瀧波」にも宿泊しており、ここでは「伝統的な日本旅館に泊まって、日本の文化に触れることを重視した」という。
東京都立蒲田高等学校はエンカレッジスクールとして、生徒に自信をつけさせるため体験活動を重視。青森県平川市で行った宿泊体験研修について上村肇校長は「自己肯定感を育む活動となっており、教育方針と合致する」と意義を語った。
セミナーではまた、たざわこ芸術村・わらび座(秋田県)、宮古観光文化交流協会(岩手県)、糸魚川市産業部交流観光課(新潟県)の取り組みも紹介した。
東北観光推進機構では「国内事業の中で教育旅行は柱の一つ。これからも力を入れていきたい」(小野晋推進本部長)と話す。
セミナーの様子