国の文化審議会は15日、大分県別府市の「別府の湯けむり・温泉地」を重要文化的景観として選定するよう文部科学相に答申した。温泉地が重要文化的景観に選定されるのは初めて。
文化審は「豊富な温泉源を活用し、共同浴場や地獄釜の蒸し料理といった生活、貸間・旅館などの宿泊業や湯の花製造業といった生業を成立させてきた、当地の土地利用のあり方を示す文化的景観として貴重」を選定理由に挙げた。
重要文化的景観はこれで34件となる。石川県金沢市の城下町や長野県千曲市の姥捨の棚田、愛媛県宇和島市の遊子水荷浦の段畑などが選ばれている。
その他、文化審が答申した主な新指定、新登録、新選定は次の通り。
【史跡】大森勝山遺跡(青森県弘前市)▽田島弥平旧宅(群馬県伊勢崎市)▽五斗長垣内遺跡(兵庫県淡路市)▽大板山たたら製鉄遺跡(山口県萩市)▽大浦天主堂境内(長崎県長崎市)▽中頭方西海道及び普天満参詣道(沖縄県浦添市)
【名勝及び史跡】小石川植物園(東京都)
【名勝及び天然記念物】喜屋武海岸及び荒崎海岸(沖縄県糸満市)
【天然記念物】津屋川水系清水池ハリヨ生息地(岐阜県海津市)▽志布志市夏井海岸の火砕流堆積物(鹿児島県志布志市)▽宝島女神山の森林植物群落(同十島村)▽名護市嘉陽層の褶曲(沖縄県名護市)
【登録記念物】旧吉田氏庭園(千葉県柏市)▽帯笑園(静岡県沼津市)▽市川鉱物研究室収蔵標本(福井県越前市)
【重要文化的景観】求菩提の農村景観(福岡県豊前市)▽長崎市外海の石積集落景観(長崎市)▽新上五島町崎浦の五島石集落景観(長崎県上五島町)