新日本コンピュータサービスは、旅館・ホテル専用のコンピューターシステム開発に特化して40年以上の歴史を誇る。開発、販売、アフターフォローまでを一貫して行い、「ユーザーの声を取り入れた使いやすいシステム」と定評がある。2022年は新しい基幹システムをリリース。「旅館・ホテルの皆さまの生産性向上、売り上げ増進にさらに貢献したい」と意欲を見せる。同社の伊原成美社長に新年度の方針を聞いた。
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――御社の製品について改めて。
伊原 旅館・ホテル向けフロントシステム(PMS)を開発している。メインとなるのは中・大規模施設向けの「Future(フューチャー)V」。予約管理、フロント会計、顧客管理の基本パッケージほか、CTIシステム、WEB予約連動システム、自動精算機連動システムなど、さまざまなオプションを用意している。
このほか小規模旅館・ホテル向けの「フロントシステムスマート」、宿泊特化型ビジネスホテル、簡易宿所向けの「フロントシステムBIZ」をラインアップしている。
――製品の特長は。
伊原 豊富なオプションを用意した拡張性の高さ、基本パッケージに含まれる帳票全てについてカスタマイズ対応が可能なこと、基本パッケージでは対応できない施設独自のプログラムも作成可能なことだ。
――近年の顧客ニーズは。
伊原 コロナ禍になり、非接触のニーズが増えている。例えば食事処でのオーダー。お客さまのスマートフォンから料理や飲み物を注文できるようなシステムを構築している。施設のQRコードをスマートフォンで読み取ってもらうと、スマートフォンの画面にメニューが出る。その画面をタッチすることで注文ができる。専用のタブレットを置いて注文を受けることもできるが、お客さまが使い回すので施設側の消毒作業、メンテナンスが大変だ。お客さま自身の端末を使うことで、その難点を解消する。
今まではスタッフがお客さまの注文を直接聞き、メモを調理場やフロントに回していたが、システム化で人と人との接触を減らすとともに、人力による単純ミスも防げる。
調理場に今日のお客さまや料理の情報を表示するディスプレイも引き合いが多い。人数などの変更があれば、今まではスタッフがフロントと調理場の間を往復するなど大変だったが、システム化で解消される。
自動精算機との連動システムも引き合いが増えている。あるホテルで試験的に導入したところ、今ではお客さまの9割近くの方が利用し導入効果が大きいと聞いている。今は個人客が増え、宿泊客の数が同じでも団体が多かった時代よりフロントで精算する人の数が増え、対応が忙しくなった。自動化により、その難点も解消される。
――新しい基幹システムをリリースするようだが、どんな製品か。
伊原 「多様なニーズに応えられる柔軟性」が一番の特長だ。従来のフューチャーVも好評だったのだが、旅館・ホテルの皆さまを取り巻く環境の変化、利用するお客さまの多様化するニーズに対応できる柔軟性、オプションシステムを導入するに当たってなるべく低コストでというニーズに応えられるようにしたのが今回の新しいシステムだ。
当社は旅館・ホテル専用システムの開発を40年以上続けてきた。累計では数千軒の旅館・ホテルの皆さまに導入をいただいている。そのノウハウを生かしてこれまでもバージョンアップを繰り返してきたが、今回は完全なフルモデルチェンジだ。
今までの製品のユーザーには、売り上げや顧客情報など、重要なデータを旧システムから新しいシステムに全て引き継げるようにフォローをさせていただく。
――製品名は。
伊原 「MACRA(マクラ)」。「マネジメント(管理)」「アシスト(支援)」「カスタマー(顧客)」「リザベーション(予約)」「アカウント(会計)」の頭文字を取り、お世話になっている旅館・ホテルの皆さまへ「感謝と貢献」の思いを込めネーミングした。従来の製品名は社内公募で決めていたが、今回は著名なアートディレクター丸山美有紀さんにネーミングやロゴについてご相談し作成をお願いした。旅館・ホテルに必ずある「枕」にかけており、ユーザーの皆さまに親しみを持ってもらいたいという意味も込めている。今年の国際ホテル・レストランショーではデモ機を置いて大々的にアピールする予定だ。
――年頭に当たり旅館・ホテル経営者に一言。
伊原 ユーザーの皆さまあってのわれわれ。今後も皆さまから頂いた貴重な意見を製品開発に取り入れ、皆さまの業務の生産性向上、売り上げ増進に貢献できればと思う。
新日本コンピュータサービス
【本社】栃木県宇都宮市泉が丘5の7の11
【創立】1978年
【事業内容】コンピューターと関連機器の販売、運用指導、保守管理、ソフトウエアの開発、販売、保守
【資本金】2000万円
ホテレスでの出展(20年)
▷NJC新日本コンピュータサービス株式会社