覚田真珠(三重県伊勢市)は6月20日、英虞湾の入り江に面した伊勢志摩国立公園内にある真珠養殖場の跡地に、体験型リゾートヴィラ「COVA KAKUDA(コーバ・カクダ)」を開業した。「日本の美を昇華させる新しい形のリトリートステイ」を提案する。
1931年創業の覚田真珠は、海での養殖からネックレスメーキングまでを一貫して手掛ける真珠会社で、製品の品質の高さが海外のバイヤーにも認知されている。同社は英虞湾の入り江に面する約4万平方メートルの自社用地に、COVA KAKUDAを整備した。
4棟のスイートヴィラ(約70平方メートル)は、同社の養殖加工場時代の天井の木製梁などを残したデザインを取り入れている。全棟が寝室とリビング、入り江とつながるデッキテラス、バスルームを、うち2棟がプライベートサウナを備える。木で組まれた筏(いかだ)、編まれた網やかごなど、英虞湾を感じる滞在空間を創出した。
ダイニング「KAZO」では、地元の名産である伊勢エビやヒオウギ貝、アコヤ貝やワタリガニなどの魚介、松阪牛などを使った和食ベースの「イノベーティブ・フュージョン料理」を提供する。「ゲストには、志摩の魅力が詰まった料理、おもてなし、距離感、空気感の全てをCOVA KAKUDAの中で存分に堪能していただきたい」と同社。
滞在中に体験できるさまざまなアクティビティも用意。真珠の核入れ体験や地元の特産品・食材の収穫体験と料理教室、英虞湾の景観めぐりやスタークルーズ(星空鑑賞)など「静」の体験、生ガキと伊勢エビ水揚げ体験や農園体験、シュノーケリングやカヤックなどの「動」の体験と、幅広いアクティビティを提供する。地域住民と観光客が交流することができるワークショップも予定している。
「この地は昭和初期より真珠養殖場・加工場として歴史を育み、当時はこの地の工場のことを『コーバ』と呼んでいた。当時の記憶を引き継ぐ場としてCOVA KAKUDAと命名した」と同社代表取締役・覚田譲治氏。「日本の美を感じる空気感として昇華されるような、新しい形のリトリート・ステイを堪能していただきたいと願っている」と意気込む。
詳細と予約は公式ホームページ(https://cova-iseshima.jp/)。
英虞湾の穏やかな波音を聞きながら、目の前に広がる入り江に浮かぶような浮遊感を感じられる
真珠で有名な英虞湾。COVA KAKUDAで過ごす時間は、英虞湾の魅力に触れる時間でもある