新型コロナで利益大幅減 JAL・ANA決算


 JALグループ(JAL)とANAホールディングス(ANA)は4月30日、2020年3月期(2019年4月1日~20年3月31日)連結決算を発表した。当期純利益はJALグループが前年比64.6%減の534億円、ANAが同25%減の276億円。両社とも新型コロナの影響で2月以降の旅客数を大きく落とし、JALは2期ぶりの最終減益、ANAは1~3月が過去最悪の数字で大幅減益となった。

 JALは、グループ連結売上高が同5.1%減の1兆4112億円、営業利益が同42.9%減の1006億円、経常利益が同38%減の1025億円だった。新型コロナの影響のほか、世界経済の変動や昨秋の台風など自然災害の影響を受けた。

 国際旅客の売上高は同10.3%減の4762億円に。世界経済の減速に伴い欧州線、中国線が影響するほか、政情不安により香港線、韓国線で需要減となった。路線運営面では、新型コロナの影響で人の移動や物流に制約が生じ、2月以降は需要減に対応する運休、減便、小型化を行った。このほか、他航空会社との提携関係強化、拡大を行った。

 国内旅客の売上高は同2.6%減の5146億円に。ゴールデンウイーク(GW)10連休の影響もあり上半期は堅調に推移したが、新型コロナの影響を受け、2月以降は需要が急速に落ち込んだ。

 ANAは、売上高が同4.1%減の1兆9742億円、営業利益が同63.2%減の608億円、経常利益が同62.1%減の593億円だった。世界経済の冷え込みによる国際線貨物の需要減や新型コロナの影響による世界各国の入国制限措置や国内の外出自粛による大幅な旅客減が響いた。

 国際旅客の売上高は同5.8%減の6139億円に。新規路線の開設やエアバスA380型機のハワイ線投入で需要を取り込んだが、新型コロナの影響でアジア線、北米線、欧州線、ハワイ線が前期を下回った。路線ネットワークでは、昨年9月から成田―パース(オーストラリア西部)線、同10月からチェンナイ(インド南部)線、今年3月からウラジオストク(ロシア)線を開設した。

 国内旅客の売上高は同2.4%減の6799億円に。GW10連休の需要の取り込みや各種割引運賃による旅客の獲得が好調に推移していたが、2月末から新型コロナの影響で需要が大幅に減退した。路線ネットワークでは、5月から成田―中部線、10月から中部―熊本線を増便するなど、路線便数の最適化や投入機種の柔軟な調整を推進し、ネットワークの効率化を図った。営業・サービス面では、搭乗の355日前から購入可能な割引運賃の設定などを行った。

 現在両社は新型コロナの影響を受けて融資の要請を実施。JALは民間取引金融機関に3千億円規模、ANAは日本政策投資銀行などに1.3兆円の融資を要請している。

 21年3月期の連結業績予想は、両社とも新型コロナの状況の先行きが不透明なことから、算出を見合わせている。

 
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