JTBが11月20日に発表したJTBグループ2020年4~9月期連結決算は、売上高が前期比81.1%減の1298億3700万円、経常利益が前期の68億6900万円から580億300万円の赤字となった。1月末から世界に拡大した新型コロナウイルス感染症拡大によって旅行需要が冷え込んだ影響を大きく受けた。20年度通期(20年4月~21年3月)では経常損失1千億円を想定。連結決算を開始した00年度以降、中間、通期とも経常で過去最大の赤字額となる見込みだ。
営業利益は前期の64億2200万円から710億7千万円の赤字、当期純利益は同43億5300万円から781億7200万円の赤字だった。連結対象会社数は国内33社、海外106社、持分法適用会社23社の計162社。従業員数は2万6千人。
旅行関連の売上高を商品別に見ると国内旅行は、新型コロナの影響により取り扱いが減少し、前期比85.0%減の399億4800万円となった。個人旅行の企画商品「エースJTB」が81.6%減、団体旅行が90.5%減、メディア商品が95.8%減だった。
「国内旅行については、Go Toトラベルキャンペーンの効果も出始め、第2四半期以降は回復傾向にある」と山北栄二郎社長。
海外旅行は90.8%減の218億9600万円。新型コロナの影響により3月中旬から基本的に催行がなかった。
訪日旅行は92.6%減の27億8800万円。新型コロナの影響により国内事業会社での取り扱いはほぼなかった。
グローバル旅行(日本以外の第三国間での旅行事業、1~3月分の売上高を含む)は79.4%減の108億8500万円。新型コロナの影響で取り扱いが減少した。
MICEは76.2%減の74億7300万円。コロナの影響で国内は法人事業が減少、海外では主にアメリカ・欧州地域の取り扱い減少が響いた。
その他の事業は、22.2%減の468億4700万円。商事は消耗品の受注が減少し41.9%減、出版事業は旅行関連書籍の販売減少によって66.8%減、地域交流事業は次世代住宅エコポイントやふるさと納税に関する取り扱いが伸びて115.0%増となった。
経費構造改革を進め、「来年度は確実に黒字にする」と山北社長は強調した。
発表する山北社長