営業強化、サービス向上に
和歌山県那智勝浦町の「碧き島の宿 熊野別邸 中の島」は、新日本コンピュータサービスの旅館・ホテル向けトータルシステム「Future(フューチャー)V」を活用し、営業力の強化、サービス向上を実現している。
客室数44室。勝浦湾に浮かぶ小島「中ノ島」に建ち、全国でも珍しい、「1島1旅館」「専用船でしか行けない」という究極のプライベート空間だ。「世界遺産・聖地熊野」をコンセプトに、地元の歴史・文化を強く感じさせる客室の装いにするとともに、地の素材にこだわった料理を提供している。すぐ目の前が海という源泉掛け流しの絶景露天風呂は「圧倒的スケール」と評判が高い。
同館はフューチャーVをフロント会計、顧客管理、予約管理で活用。集まった顧客や予約のデータは営業戦略に積極的に活用している。
「どこのエリアのお客さまが多いかや、着地での予約数の見込みのデータをコンピューターで出し、分析をして営業に役立てている」と同館営業企画課長の濵憲弘さん。
当日の顧客情報は社員全員が持つスマートフォン型デバイスで確認できる。新日本が開発したアプリを立ち上げることで、当日の部屋割りや顧客の氏名、人数、食事のアレルギーまで、予約時に入力した情報が手のひらで全て分かる。更新情報もリアルタイムで確認。
「以前は社員の中で情報の格差があり、『Aさんは知っているがBさんは知らない』ということがあった。そのためお客さまにご迷惑を掛けることがあったが、その悩みが解消された」(濵さん)。
デバイスでは客室での飲料など、さまざまなオーダーを取ることもできる。「ITを活用し、お客さまへのサービス向上に役立てている」(同)。
「中の島」全景