ANTA、両県で「観光応援会議」
全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長=自民党幹事長)は、6月18日の山形県沖地震で風評被害を受けた新潟、山形両県の観光復興を支援する「観光応援会議」を9月25、26日、両県内で開いた。ANTA役員、地元自治体の幹部、観光関係者が集い、さらなる誘客に向けて意見を交換した。
25日は山形県あつみ温泉の萬国屋で開催。山形県庄内総合支庁の沼澤好徳支庁長が「ミシュラングリーンガイドで出羽三山(羽黒山)の杉並木が3つ星になっているのをはじめ、庄内地域には三つの日本遺産がある」と、山形県庄内地域の魅力を紹介。さらなる送客を求めた。
鶴岡市商工観光物産課の阿部知弘課長も地元の観光魅力をPR。温海温泉旅館組合の若松邦彦理事長、湯野浜温泉旅館協同組合の五十嵐浩理事長、庄内交通の菅原清一執行役員、DEGAM鶴岡ツーリズムビューローの佐藤仁貴主幹、萬国屋の荒井稔副社長らは風評被害と観光の復興状況について説明した。
26日は新潟県内で会議を開催。新潟市の新潟東映ホテルで開いた会議には、国交省北陸信越運輸局の板崎龍介局長、観光庁の奈良和美参事官、新潟県観光局の佐野哲郎局長らが出席した。
ANTAの有野一馬専務理事が、公務で欠席した二階会長のメッセージを代読。「『応援会議』は当協会が少しでも(両県の)お役に立てればと開催するもの。各地の観光の魅力を学び、協会会員5600社が一致協力して送客の応援活動を行う」とメッセージを寄せた。
交流会には新潟県の花角英世知事が駆け付け、歓迎のあいさつ。「協会の支援に感謝する。間もなく9回目のDC(デスティネーションキャンペーン)が始まるが、『うまさぎっしり豊かな食文化』をテーマに、誘客を強化する。引き続き応援をお願いしたい」と述べた。
同日、新潟県瀬波温泉の「大観荘せなみの湯」でも応援会議を開催。地元村上市の忠聡副市長があいさつし、「鮭、酒、人情(シャケ・サケ・ナサケ)の三つの“サケ”からなり、古い町並みが残る趣のある城下町」と地元をPRした。
村上市観光課の大滝寿課長、村上市観光協会の浅野謙一会長、瀬波温泉旅館協同組合の佐藤久也理事長も同市の魅力を述べるとともに、誘客に向けて意見を述べた。
両県の応援キャンペーンは地震発生翌月の7月から観光庁が実施。ANTAも7~11月に被災地への送客を会員の旅行会社に呼び掛けるキャンペーンを行っている。ただ、完全回復のためにさらなる支援が必要と、応援活動の強化を引き続き検討する。
新潟県での観光応援会議
山形県での観光応援会議