16日に起こった新潟県中越沖地震は柏崎市、長岡市、刈羽村、長野県飯綱町などで震度6強を観測した。家屋の倒壊などで死者9人、重軽傷者は1千人以上となった。67人が死亡した04年の中越地震から3年足らず。客足も地震前に戻りつつあっただけに、「(今回の地震は)大きな痛手だ」と観光関係者は頭を抱える。
新潟県観光協会は17日、「現在、被害状況を調べており、県内の観光施設などがどうなっているのかまだ詳しくは把握していない。ホームページ(HP)にも地震情報を流し、(前回の地震で起こった)風評被害が出ないよう、正確な情報発信に努めたい」と話した。
「今日(17日)から被害状況の調査をはじめ、19日までに回答を求める。これで被害額が分かる」というのは新潟県旅館組合。
「被害は限定的。新潟市内も揺れたが全く被害はない。蓬平温泉、妙高、十日町も大丈夫。鵜の浜温泉(の施設で)は多少ひび割れがあるが営業に差し支えない。ただ、キャンセルが出ている。前回と同じ状況だ。不況に震災が重なり、ダメージを受けた」と今後を心配する。
同旅組では被災者に対する無料入浴も検討していく考えだ。
JR柏崎駅から車で7分ほど、日本海に面して建つ岬館は17日までに、「地震発生後、館内の安全上・メンテナンス上の点検を行い、現在、営業を再開しました。従業員にも被害はありませんでした」というお知らせをHPに掲載した。
近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟は「KNTの仕入部門を通して被災地の状況を聞いたが、全く問題はなく、皆さん通常通りの営業をしているようだ。ただ、キャンセルも出始めており、04年の中越地震の時と似たような状況になってきたのが心配」と顔を曇らせる。