近鉄グループホールディングスの文化研究機関「旅の文化研究所」(神崎宣武所長)は10月31日、東京都中央区の銀座ブロッサムで「旅の民俗」シリーズ出版記念フォーラム「人はなぜ旅に出るのか―旅の歴史と民俗」を開催した。一般参加者ら約500人が参加した。
フォーラムでは冒頭、近鉄グループホールディングスの山口昌紀相談役が「旅を通じて歴史や文化を知ってほしい」とあいさつした。
基調講演では、神崎所長が、「宮本常一の旅学から」と題して講演。民俗学者として活躍した宮本常一氏の研究などについて話した。
このほかフォーラムでは、高橋竹山氏による「津軽三味線ひきがたり」やパネルディスカッション「旅の民俗―行商・芸能・観光」を行った。パネルディスカッションでは、同研究所の山本志乃研究主幹や作家で探検家の岡村隆氏、成城大学民族学研究所の亀井好恵研究員、同志社大学大学院の佐伯順子教授の4人の研究者が、生きるためのやむなき旅から娯楽や冒険、研修などの旅まで、「旅の文化」をさまざまな角度から掘り起こし、その歴史と継承などを発表した。