山陽・九州新幹線相互直通団体臨時列車が8月下旬から9月にかけて、3往復運転された。3月12日の九州新幹線全線開業と山陽・九州新幹線の相互直通運転開始以降、旅行会社による直通新幹線の借り切りの旅行ツアーは初めて。
8月25、27日は近畿日本ツーリスト(KNT)、9月16、18日は阪急交通社、9月24、25日はJTBが借り切り、旅行商品として販売。山陽・九州新幹運転区間はKNT、新大阪~鹿児島中央間がJTB、新大阪~熊本間が阪急交通社だった。
利用人数は1本あたり約500人で延べ3千人が利用した。関西や中国地域の個人客が大半を占めたという。熊本駅、鹿児島中央駅では、JR九州社員が横断幕を持って出迎えた。
山陽・九州新幹線相互直通団体臨時列車はJRにとって安定収入源であり、ビジネス利用ではない日時や時間帯の運転で、観光需要を掘り起こすことができる。また、旅行会社にとっては、開業効果の中、座席の取り合いとなっている相互直通車両の席を確保できるうえ、実際の旅行商品も割安なものが造成できる。
相互直通は来春のダイヤ改正で車両の追加投入が予定されている。今回、販売が好調だった旅行会社では、早くも来春の相互直通団体臨時列車の借り切りを検討している。
地元の自治体関係者は「九州新幹線相互直通団体臨時列車を利用した教育旅行の誘致にも期待している。九州内でも相互直通車両利用での関西や中国地域への旅行需要は高いと言われており、今回のような直通団体臨時列車利用で割安な価格設定であれば人気旅行商品になる」と話している。
ツアーを利用した旅行者(鹿児島中央駅で)