コンサルタントのリョケンはこのほど、全国の旅館を対象に、ネット予約・検索対策の状況調査を行った。それによると、宿泊予約の経路は電話などの直接予約、旅行会社経由が依然多いものの、自館のホームページ(HP)やネットエージェントなど、インターネット経由の予約が増えている状況が改めて示された。ネット経由の予約は、小規模施設ほど増加が顕著になっている。
直近1年間(08年)の宿泊予約経路の構成比率を聞いたところ、回答者の平均は、直接予約が34.7%で最も多く、以下、大手旅行社25.4%、中小旅行社17.0%、ネットエージェント13.7%、自館HP9.3%の順。
施設の規模別では、大規模旅館(客室100室以上)は、大手旅行社が37.2%と最も多く、次に直接予約の24.6%。ネットエージェントは8.8%、自館HPは6.2%にとどまる。
中規模旅館(客室31〜99室)は、直接予約が31.4%で最も多く、2番目が大手旅行社の27.6%。ネットエージェントは11.4%、自館HPは7.2%で、比率は大規模旅館より高い。
小規模旅館(客室30室以下)は、直接予約の比率がさらに高まり、44.9%に。次に多いのはネットエージェントの19.9%で、大手旅行社(16.1%)より多い。自館HPも14.1%と、大手旅行社に迫っている。
今回の調査結果を前回の07年3月調査と比較すると、回答者全体では、直接予約の割合が7.9ポイント減少した。半面、ネットエージェントは6.8ポイント、自館HPは1.9ポイント、それぞれ数字を伸ばしている。大手旅行社は0.4ポイント増と、ほぼ横ばい。
ネット予約の増加は特に小規模旅館が顕著で、ネットエージェントは9.6ポイント、自館HPは3.2ポイント、それぞれ前回調査から数字を伸ばしている。
調査では旅館の検索対策も聞いた。検索サイトで自社を上位に表示させるSEO(検索エンジン最適化)の対策状況は、「ある程度は考えて対策している」が59.3%で最も多い。以下、「あまり(ほとんど)行っていない」19.8%、「かなり力を入れて行っている」13.6%、「全く行っていない」7.4%。9割を超す施設が何らかの対策を行っている。