飯島綜研はこのほど、旅館を対象に実施した「上期(1〜6月)と下期(7〜12月)の売り上げと経費に関する調査」結果をまとめた。それによると、上半期は宿泊客の減少で、75%の旅館が「売り上げが減少した」と答えた。そのためか、経費管理には力を入れており、経費が「減少した」旅館は59.3%に達したことが分かった。
有効回答旅館数は56軒だった。前年同期と比べ75%の旅館が「宿泊人員が減少した」としており、特に大型旅館の減少回答は92.3%に達した。売り上げ減も75%の回答率だったが、規模別に見ると、大規模が76.9%、中規模62.5%、小規模85.7%が「売り上げが減少した」と答えている。
売り上げが減少した要因については、「エージェントからの送客が減った」を挙げる旅館が43.9%あった。逆に「増えた」とする旅館の割合を見ると、大規模は66.7%が「直セールスによる集客が増えた」とし、中規模ではインターネットによる集客や外客の増加を挙げる旅館が多い。
また、経費別では大きなウエートを占める人件費や水道光熱費の減少が目立ち、「人件費は86.2%、水道光熱費は84.6%の旅館がそれぞれ減少したとしている」(同綜研)。
下期の見通しについては、宿泊客の減少は続き、57.1%の旅館が「売り上げも減る」と回答。しかし、全体では21.4%、中規模では25%が「売り上げは増える」と見ている。
売り上げ増加のため何をするかを聞いたところ「ホームページなどの充実でネット販売を強化する」(27.3%)、「直セールスに力を入れる」(17%)との答えが目立った。
「大手や中小エージェントとの提携を強化すると答えた旅館は27.2%と低く、旅館のエージェント離れが出てきたように感じられる」と同綜研では見ている。