旅館の経営状況、依然厳しく リョケン短観


コンサルタントのリョケンはこのほど、全国の旅館・ホテルを対象に四半期ごとに行っている短期観測アンケートの、今年7月実施分の結果を公表した。それによると、今年春(4〜6月)の自館の客数実績は、前年比で「減少傾向」とする施設が前年から大幅に減少したものの、「増加傾 向」が微減、「横ばい傾向」が増え、依然厳しい状況であることが分かった。

 「減少傾向」とする施設は全体の47.5%。以下、「横ばい傾向」が37.6%、「増加傾向」が14.9%。

 前年調査では「減少傾向」が70.8%だった。以下、「増加傾向」15.4%、「横ばい傾向」13.8%。新型インフルエンザの発生で極めて厳しい集客状況だった。

 今年は前年に比べ、一定の回復基調にあるものの、「増加傾向」の回答が減少するなど、依然厳しい経営状況にあることが分かる。

 自館がある地域全体の客数傾向は、「減少傾向」62.4%、「横ばい傾向」23.7%、「増加傾向」14.0%。前年調査では「減少傾向」81.5%、「横ばい傾向」14.3%、「増加傾向」4.2%。自館の客数傾向同様の動きを示している。

 総宿泊単価は「下降傾向」48.0%、「横ばい傾向」43.1%、「上昇傾向」8.8%。前年調査(「下降傾向」56.9%、「横ばい傾向」36.2%、「上昇傾向」6.9%)に比べ、「下降」とする回答が減少、「上昇」とする回答が増加している。

夏の集客も苦戦
 今年の夏休み(7月下旬〜8月末)の自館の客数見込みは、「減少傾向」が44.4%と最も多く、以下、「横ばい傾向」41.4%、「増加傾向」14.1%。

 自館がある地域全体の客数見込みも「減少傾向」56.8%、「横ばい傾向」34.6%、「増加傾向」8.6%と厳しい状況。

 リョケンでは「平城遷都1300年祭の盛り上がりや、大河ドラマの舞台も四国から九州地区まで広がりをみせ、さらに瀬戸内国際芸術祭の開催など、特に西日本地区では集客が期待されるイベントが多いものの、調査の結果には表れてきていない」とコメントしている。

 
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