旅館業を持続可能に 世界に通用する「リョカン」に


登壇した未来ビジョン委員会のメンバー。(右から)片岡氏、関口氏、相原委員長、細川氏、田辺氏、桑島氏

日本旅館協会未来ビジョン委 セミナーで未来像を提言

 日本旅館協会の未来ビジョン委員会は、旅館業の未来像を議論し、今後の経営に生かす指針の策定を進めている。13日に東京都内で開かれた国際ホテル・レストラン・ショーのセミナーで、相原昌一郎委員長(静岡県・新井旅館)をはじめとする委員が「リョカンのミライを考える」と題してこれまでの検討成果を発表した。生産性の低さや人手不足が課題となる中、「旅館は持続可能なのか」と問いかけた上で、自らの価値を明確化し、地域に貢献して、働き手にも選ばれる、世界に通用する旅館を目指すべきと提言した。

登壇した未来ビジョン委員会のメンバー。(右から)片岡氏、関口氏、相原委員長、細川氏、田辺氏、桑島氏

日本旅館協会のセミナー

 

 策定中の指針は、大西雅之会長からの諮問を受け、担当の桑野和泉副会長(大分県・由布院玉の湯)のもと、未来ビジョン委員会のメンバーが検討している。6月の2024年度総会で最終報告を行う予定。年度内には冊子も発行する。

 「旅館は持続可能なのか」をテーマにしたセミナーの第1部では、相原委員長が「旅館は日本独自の文化、世界に誇ることのできる資産といわれるが、人手不足の解消は進まず、生産性が低いといわれ続けている。売り上げは戻ってきたが、コロナでは借入金を増やし、返済で厳しい状態が続いている。自然災害にももろい」と指摘した。

 日本経済をけん引することが期待されるインバウンドに関しても、宿泊先は大都市部に集中し、期待された地方の宿泊業の平日稼働率のアップ、需要の平準化を通じた生産性向上の実現には至っていない。一方、外国人旅行者が多い一部の地方でも、宿泊業は人手不足が深刻化し、フル稼働や高付加価値化による収益向上、安定的な経営には課題が多い。

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