日本観光旅館連盟(佐久間進会長、4181会員)と国際観光旅館連盟(佐藤義正会長、1344会員)は、暗礁に乗り上げている合併問題に関して、両団体の正副会長が出席した会合を9月7日に都内で開く。今回の会合は、具体的な検討を行う「合併推進協議会」の設置に先立つ、「顔合わせ」と位置づけている。昨年11月の合併基本合意の発表に始まる動きの中で、双方の役員がそろった会合を持つのは初めて。合併実現への道筋をどう探るか、今後の議論の行方が注目される。
両団体は、今年6月の総会を経て合併する予定だったが、総会以前に、合併の前提だった基本合意の内容に触れる意見の相違が浮上したことで、期限を定めない延期状態になっている。
基本合意後の協議で、日観連は、旅館だけでなく、ビジネスホテルなどを含むさまざまな営業形態、営業規模の会員を抱える事情を背景に、(1)新団体名に「ホテル」を入れる(2)日観連の現行会費を維持する(3)存続法人は日観連とする などを主張。これに対し国観連は、基本合意を覆す内容として反発。折り合いは付かなかった。
合併推進協議会は、期限通りの合併が困難になった今年3月、日観連が設置を求めたが、国観連は、日観連側が従来の主張を協議の基本方針に挙げていたことから、議論に前提条件を付けるものとして疑問視し、開催は実現しなかった。
日観連は、今年6月12日の理事会、総会での決定をふまえ、これまでの主張を一度白紙にして協議会に臨む姿勢を示し、開催を再提案。これを受けて国観連は、先月26日の正副会長会で会合への参加を決めた。
合併の早期実現を目指す姿勢では、両団体ともに一致しており、今後の調整に注目が集まる。ただ、合併への道のりは容易ではなさそうだ。「現行会員を漏れなく移行させたい」(佐久間会長、今年度総会で)とする日観連と、「強力な旅館の新生団体を目指す」(佐藤会長、同)とする国観連。初会合を合併推進協議会とせずに、感触を探り合う会合からの再スタートとなったことが、調整の難しさをうかがわせる。