日本商工会議所は2月19日、東日本大震災からの本格復興に向け、4年間の検証と次の6年、およびその先を見据えた対応を求める要望書をまとめ、関係省庁に提出した。復旧・復興の進捗状況に差が生じている現状を踏まえ、2015年度までとされている集中復興期間における事業の着実な実施を求めるとともに、16年度以降の復興の工程や具体的施策を早期に示すべきだと指摘した。
要望書には「交流人口の回復・拡大に向けた観光振興の取り組みへの支援」を盛り込んだ。
東北6県や関東地方沿岸部で観光客数がいまだ震災前の水準に回復していないことから、復興庁や観光庁、文部科学省などに(1)修学旅行誘致への支援(2)グリーンツーリズムやスポーツツーリズムなどへの支援(3)外国人観光客の誘客に向けた環境整備—を求めた。
(1)については、子供農山漁村交流などへの積極的な支援や、防災・震災学習プログラムなどによる復興ツーリズム、地域の伝統産業の体験ツアー、東北で実施されるデスティネーションキャンペーンとの連動など、修旅誘致に向けた取り組みの支援のほか、保護者対象の啓発活動を展開すべきだとした。
(2)では、里山文化や三陸地方の食・海・歴史文化などを生かしたグリーンツーリズム、国際的なスポーツ大会や合宿の開催・誘致をはじめ、自然環境を活用したアウトドアスポート・レジャーなどのスポーツツーリズム、MICE誘致などの取り組み支援を挙げた。
(3)では、風評被害の払拭に向けた国内外への正確な情報発信の強化に加え、無料公衆無線LAN環境の整備、東北地方の空港への格安航空会社(LCC)の誘致など、外客の受け入れ態勢の構築・強化を求めた。