日本観光経営学会(西村典芳会長)は7日、大阪商業大学(大阪府東大阪市)で「次世代観光経営フォーラム」を開催した。観光や地域振興を学ぶ学部生らが、ゼミなどでの研究内容を発表。日大、追手門大のチームが最優秀プレゼンテーションとして学会長賞を受けた。
同学会の次世代経営フォーラムの開催は3回目。「観光ビジネスの未来」をテーマに、事前の選考を経た4大学15組が、福井県敦賀市や兵庫県小野市、猪名川町での特産品企画や観光振興策、大阪でのインバウンドバリアフリーツアー企画など多岐にわたるテーマについて発表。同学会員である大学教員らに加え、旅行会社社員などの実務家である学会員からの質疑や審査を受けた。
審査の結果、最優秀の学会長賞には、静岡・伊豆地域の観光に関わる若手地方自治体職員らのキャリア・アンカーを調べた、日本大学国際関係学部の巴陵克祐さん、大熊かれんさんによる「地域の観光に関わる人材のキャリア形成と展望」、ドライビングツアーによる輸入車の販売促進策などを提案した、追手門学院大学国際教養学部の猪原亜美さん、奥優希さんによる「Audi販売の新たなマーケティング―観光への挑戦―」の2点が選ばれ、表彰を受けた。
次ぐ優秀賞には大阪商業大学総合経営学部の「新幹線延伸を契機に新しい敦賀観光ルートを考える」(松浦、細田、多田チーム)、「敦賀特産品を活用したお土産の開発」(松坂、山田チーム)、追手門学院大学国際教養学部「JAL vs ANA ビジネスクラスの差別化戦略」(田藏チーム)の3点が選出された。
講評では、審査を担当した教員や実務家審査員が、「大学生ならではの発想や観点に感心した」「プレゼンテーション能力の高さが素晴らしい」などと評価したほか、データの扱い方や大学での学びの姿勢などへのアドバイスを行った。このうち福森浩幸・堺観光コンベンション協会周遊促進部長(さかい利晶の杜館長)は「書類審査では内容に不安のあるものもあったが、プレゼンではどれもしっかりとした内容だった。いずれもまだ研究途中であると思うので、今回の発表を生かしてしっかり仕上げていってほしい」とエールを送った。
学会長賞を受賞した日大のチーム(上)と追手門大のチーム