実践形式で現場の即戦力 宿泊業でも活躍を期待
ヒューマン・アビリティ・デベロップメント(本社・東京都中央区)は設立から20年を迎え、企業・団体の教育研修コンサルティングを多岐に展開している。東証プライムに上場する大手家電量販店のノジマの100%子会社で、グループ約2万人の従業員の研修を担うなど、業界内での地位を築いている。
7月からは、日本で働くベトナム人向けに特化した「礼儀作法ビジネス慣習基礎研修」をリリースする予定。担当講師の安藤幸知氏に、研修の内容や今後の抱負を聞いた。
――宿泊市場の現状をどう認識しているか。
昨年5月の新型コロナウイルスの5類への移行に伴い、インバウンドの増加が全国的に顕著で、宿泊施設においても今後の需要が高まり、収益源の確保につながると考える。
しかし、慢性的な労働力不足に頭を悩ますことをはじめ、業務の生産性の向上や、高付加価値化の実現など、課題が山積している。
――7月から展開する「日本で働くベトナム人向けの礼儀作法ビジネス慣習基礎研修」の紹介を。
主なポイントは3点。一つは、ベトナム出身の講師がベトナム語で研修を実施するため、受講者との意思の疎通を円滑化する。次に、お辞儀の仕方など実戦形式のトレーニングを1日の研修で実施するため、現場の即戦力としての活躍を見込める。そして、対話形式で進行をするため、働くことへの内容を深め、主体性が高まる。
この研修を学ぶことで、日本文化を理解することはもちろんのこと、キビキビと行動し、堂々と接客用語が言えるようになり、お客さまへの対応の質が上がることが期待できる。宿泊市場においてもベトナム人材の活躍をさらに推進してもらえれば。
――今後の活動方針と、旅館・ホテルへのメッセージを。
言葉の問題や文化の相違で、海外人材の受け入れに消極的な旅館・ホテルも日本に一番多く住むベトナム人(約56万人)の活躍を推進し、ベトナム人材から働きやすい環境として選んでいただける施設となり、現場の労働力不足の解消とともに、新たなおもてなしの構築に役立ててもらえれば。
外国人人材の育成に悩みを抱える施設それぞれに寄り添って、日本の基幹産業の発展に貢献していきたい。
安藤幸知氏
ヒューマン・アビリティ・デベロップメント(略称=HuAd〈ヒューエイド〉、旧ビジネスグランドワークス) 本社=東京都中央区銀座6の12の10 銀座龍岡ビル6階▽資本金=3千万円▽従業員数=20人▽事業内容=取引先・対象者に対して研修を実施し、企業業績の向上に寄与し、業界内におけるモデルカンパニーを目指す▽研修内容=新人ビジネスマナー研修、ヒューマンスキル強化、モチベーションアップ、意識改革、行動力アップ、マネジメント能力強化、問題発見解決能力向上、営業力強化、コミュニケーション能力アップ、課題解決研修など▽TEL03(5537)5877。