誘致、開催に優遇策など求める
日本コンベンション協会(JCMA、代表理事・武内紀子コングレ社長)は10日、MICEの誘致・開催、MICE産業に対する施策の充実などを要望する「MICE国際競争力強化に関する提言」を観光庁に提出した。大型MICEの誘致、開催に優遇制度を求めるなど、「MICE立国」の実現に向けて国を挙げた支援態勢などを要望した。
MICE誘致の現状では、アジアの競合国などが国を挙げた支援態勢を強化する中、特に大型MICE開催に関して日本には優遇制度がなく、「対抗上、劣位にある」と指摘。開催形態、参加人数、参加費などに基準を設け、社会、経済への波及効果が大きい案件には、優遇策を講じるように求めた。
具体的な優遇策には、PCO(コンベンションの企画・運営事業者)などへの誘致活動費の支援、誘致段階での会場費補助の明確化、多言語同時通訳の人件費や機材に対する補助、MICE参加者への数次ビザ発行や滞在中の交通利用料の優遇などを挙げた。
MICE開催地としての日本を訴求する機会として、コンベンションに関する国際機関、ICCA(国際会議協会、本部オランダ・アムステルダム)の総会の誘致活動を重視するよう提案。2020年総会の誘致には失敗しており、その原因には、国を挙げた誘致態勢の在り方、自治体の開催助成金の競合都市との差などを挙げた。国による別枠での助成やMICE誘致に関するファンドの創設などについて検討を求めた。
この他に、競合国のMICE政策・制度に関する実態調査、MICEとIR(統合型リゾート施設)の発展に関する可能性調査の実施などを提言した。
10日、観光庁を訪問して要望書を提出した。(左から)坂井太郎JCMA総務委員長、田村明比古観光庁長官、武内JCMA代表理事、近浪弘武JCMA副代表理事