日本ホテル協会、春季通常総会を開催 会員ホテルの「社会的貢献表彰」も


優秀賞を獲得した会員ホテル8施設

 日本ホテル協会(定保英弥会長)は3月27日、東京の帝国ホテルで令和6年度春季通常総会を開いた。会員ホテルから136人が参加し、協会事業の活動報告や、会員ホテルの社会的貢献の取り組みに関する表彰などを行った。

 冒頭あいさつで定保会長は、「昨年は旅行需要が少しずつ回復し、久しぶりに活気が戻ってきた1年だった。一方、インバウンド需要の回復が遅い地域や、宴会・ブライダル部門の伸びが鈍いなど、地域や部門によって回復度合いにまだまだ差があり、安心できる状況ではない」と述べ、「当面の最大の課題は人手不足」と改めて強調。「協会初めての試みとして、ホテルの仕事を紹介する漫画を制作し、就職情報サイト『マイナビ』に掲載した。サイト内に会員ホテルの求人サイトのリンクを掲載し、誘導を図っている」と、次世代人材獲得に向けた施策を紹介した。

 そのほか、今後同協会が取り組んでいくこととして、改正旅館業法を活用したカスタマーハラスメントから従業員を守る仕組みの構築、特定技能外国人人材の活用促進などを挙げ、「今後もさまざまな課題に積極的に取り組み、観光立国を支える基幹インフラとしての責務を果たしていきたい」と力を込めた。

 総会では、来賓として髙橋一郎観光庁長官が祝辞を述べたほか、協会事業の活動報告を経て、社会的貢献表彰を行った。

 同表彰は、会員ホテルが実施する取り組みを「新規性・先進性」「効果・成果」「継続性・持続性」「展開性・発展性」「社会的評価」の五つの観点から審査、表彰するもの。5回目となる今回は、17施設が応募し、8施設が優秀賞を受賞した。

 受賞した会員ホテルのうち、メズム東京、オートグラフコレクション(東京都港区)は、多様な価値観を尊重するため、「Mr.」「Ms.」ではなく、「SAMA(様)」付けを徹底した接客を紹介。リーガロイヤルホテル東京(東京都新宿区)は、持病や高齢を理由に尿漏れパッドを日常的に使用する人への配慮として、男性用トイレの個室にサニタリーボックスを導入したことを報告し、トイレのバリアフリー化の重要性を会員ホテルに呼び掛けた。

 受賞したホテルは以下の通り(50音順)。

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