観光庁が8月31日に発表した宿泊旅行統計調査の結果、2020年7月の全国の宿泊施設における延べ宿泊者数(第1次速報値)は、新型コロナウイルスの影響で前年同月比56.4%減の2258万人泊となった。このうち日本人延べ宿泊者数は5月に底を打ち、徐々に持ち直しているが、同45.7%減の2226万人泊と本格的な回復には至らなかった。外国人延べ宿泊者数は、入出国の制限が続き、同97.0%減の32万人泊と依然ゼロに近い水準だった。
宿泊者数は、政府の緊急事態宣言、都道府県をまたぐ移動の自粛要請、感染症の状況などに伴って変動。延べ宿泊者数の前年同月比は、4月が80.9%減、5月が84.9%減、6月が68.9%減で推移していた。
7月の日本人の国内旅行では、「海の日」「スポーツの日」の4連休、地域によっては自治体による旅行割引事業がプラス要因。7月22日には政府のGo Toトラベル事業も始まった。一方でコロナ禍に加え、7月豪雨や天候不順がマイナス要因。日本人延べ宿泊者数の前年同月比は、4月が75.9%減、5月が81.6%減、6月が61.2%減だったが、7月には45.7%減と前年の半数程度に持ち直した。
外国人延べ宿泊者数は、日本への入国自体が特別な再入国者などに限られており、前年同月比は4月が98.2%減、5月が98.7%減、6月が98.1%減で推移し、7月も大きな状況の変化はなかった。
宿泊施設の客室稼働率で見ると、4月が16.3%、5月が12.9%、6月が22.8%で推移し、7月は第1次速報値で30.4%となった。7月を宿泊施設タイプ別に見ると、ビジネスホテルが39.5%、シティホテルが25.4%、リゾートホテルが24.4%、旅館が21.4%、簡易宿所が13.4%。