日本政策金融公庫はこのほど、ホテル・旅館業、飲食業など生活衛生関係営業の仕入れ価格に関するアンケート調査を行った。それによると、ホテル・旅館業で仕入れ価格が上昇した割合は52・3%と過半数を占めた。仕入れ価格上昇分を販売価格に転嫁できていない企業は、ホテル・旅館業で55・6%を占めている。(一部既報)
仕入れ価格が上昇した割合は、全業種で46・5%。前年調査(2015年)が60・9%、2014年調査が71・1%と2年連続で低下したが、依然高水準にある。
業種別では、飲食業(65・2%)、食肉・食鳥肉販売業(62・7%)、ホテル・旅館業の順で高い。
今後1年間の仕入れ価格の見通しは、全産業で43・0%が「上昇する」と回答している。
仕入れ価格上昇分を販売価格に転嫁できているかどうかを聞いたところ、ホテル・旅館業では、「全く転嫁できていない」企業が55・6%と過半数を占めた。ほかに「一部転嫁できている」が28・9%、「概ね転嫁できている」が11・1%、「わからない」が3・3%、「全て転嫁できている」が1・1%。
全く転嫁できていない割合は、全業種で55・4%。業種別では、クリーニング業(68・8%)、飲食業(58・2%)、ホテル・旅館業の順で高くなっている。
販売価格について、「引き上げた」とする回答はホテル・旅館業で18・0%。「据え置いた」が75・6%と最も多く、「引き下げた」は6・4%にとどまった。
仕入れ価格上昇への対策は(複数回答)、全業種で「諸経費(人件費、光熱費等の削減)」(38・5%)、「原材料費等のコスト管理の徹底(廃棄ロス削減など)」(34・8%)、「仕入れ先の変更」(31・1%)、「販売価格への転嫁」(22・0)、「一括仕入れによるコスト削減」(12・5%)などが上位に挙がっている。
このうち効果的だったもの(二つまでの複数回答)は、「諸経費の削減」(36・4%)、「仕入れ先の変更」(31・0%)、「原材料等のコスト管理の徹底」(28・4%)が多い。