日本商工会議所、「震災被災地の復興・創生に関する要望」提出


 東日本大震災から丸11年を迎えた3月11日を前に、日本商工会議所は被災地の復興・創生に関する要望書をまとめ、復興庁をはじめとする政府関係機関などに提出した。「創造的復興」に本格的に取り組む段階に入ったとして、経営再建・事業継続に向けた支援を行うとともに、新事業展開や販路開拓などビジネスモデルの転換を後押しするよう求めた。▼下段に要望概要

 要望は被災地の商工会議所や事業者への訪問や懇談で得られた現場の声、実情を踏まえて取りまとめた。

 「産業・生業の再生」では観光振興による交流人口の拡大を図るため、(1)地域の観光マネジメント体制の強化・広域連携へ支援(2)観光需要の地方・地域への波及(3)観光消費機会の拡大、コンテンツの高付加価値化に資するデジタル技術活用―を主張。

 (1)では、東北が一体となって継続的にインバウンド回復に取り組むことができるよう、東北観光復興対策交付金に代わる新たな観光支援策を構築するとした。

 また(2)では、復興ツーリズム推進に向けた高速道料金定額制度の実施や教育旅行の誘致に向けた取り組みへの支援、防災をテーマにしたMICEやインバウンド誘客、集客力のあるイベント誘致への取り組みにも支援するよう求めた。
 復興のためにはインフラ整備も欠かせないが、鉄道については東北・北海道新幹線「新函館北斗・札幌」間の早期整備促進、奥羽新幹線(福島市―秋田市間)や羽越新幹線(富山市―青森市間)の整備実現、山形新幹線の庄内延伸、秋田新幹線の「新仙岩トンネル」の早期実現を盛り込んだ。

 コロナ禍収束をにらみ、ビジネス目的の渡航者向けにPCRセンターの東北地域への設置、ビジネストラック協議対象国の拡大にも言及した。

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