日本商工会議所の「きらり輝き観光振興大賞」、最高賞は奈良商議所に決定


修学旅行をメインターゲットにSDGs学び旅を提案している奈良商工会議所(南大門前)

 日本商工会議所は、「全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞」について、2024年度は奈良商工会議所(奈良県)の「奈良SDGs学び旅」を最高賞の大賞に選んだ。表彰式は1月29日に長崎市で開く「全国商工会議所観光振興大会2025in長崎」の全体会議で行う。

 観光・インバウンド専門委員会(委員長=志岐隆史・全日空商事顧問)の審査で決めた。今回で15回目となる。

 奈良商工会議所は連綿と続く歴史を背景に、地域資源をSDGsという視点から再評価したラーニングツーリズム「奈良SDGs学び旅」を開発。持続可能な社会の担い手を育てるため、奈良教育大と連携し、県の世界遺産を新たな視点で見学することで、奈良の歴史文化とSDGsを体感できる観光商品を提供している。

 学び旅のメインターゲットは修学旅行で、全国の学校に向けアプローチ。21年の販売開始から4年間で約100校、1万2千人が参加。大阪・関西万博がある25年は年間5千人を目標に据えている。事業者向けのSDGs体感プログラムも提供している。

 「地域の歴史文化遺産を活用し、SDGsの視点を盛り込んだ着地型観光商品の造成に取り組んでいる点が高く評価された」という。

 優秀賞は小樽商工会議所(北海道)の「運河を越えて~港を巷(ちまた)に―for our Future」に。

 小樽は運河を中心とした観光として有名だが、コースが固定化されており、観光客の滞在時間が短いことが課題となっている。

 09年度から人口減対策としてはじまった港湾振興プロジェクトの一環として「港を巷に」をテーマとした振興策を推進。これにより「運河観光」から「みなと観光」への流れを生み出し、近年は着地型インバウンドツアーの造成や運河沿い倉庫の利活用など、運河地区のにぎわいづくりに取り組んでいる。

 このほかの受賞団体は次の通り。

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