日本国内での展開加速 IHGホテルズ&リゾーツ マネージングディレクター日本&マイクロネシア アビジェイ・サンディリア氏に聞く


IHGホテルズ&リゾーツ マネージングディレクター日本&マイクロネシア アビジェイ・サンディリア氏

ANAとの連携で相乗効果 地域活性化を考え出店決定

――IHGホテルズ&リゾーツ(インターコンチネンタルホテルズグループ)の概要は。

 「19のホテルブランドと世界有数のホテル会員組織『IHGワンリワーズ』を持ち、世界100以上の国と地域で6368軒・94万6382室を展開している。従業員数は全世界で約37万5千人。IHGワンリワーズ会員数は全世界で約1億3千万人いる。また今後の開業予定ホテルは2078軒・30万5405室ある」

――日本での事業展開は。

 「1972年に参入。現在国内に8ブランド、47ホテル、約1万4千室を展開している。8ブランドは『インターコンチネンタル』『シックスセンシズ』『キンプトン』『ホテルインディゴ』『クラウンプラザ』『ホリディ・イン』と『ホリディ・インリゾート』『ホリディ・インエクスプレス』『voco』。『ガーナー』『ヴィニェットコレクション』『リージェント』の3ブランドの日本初進出も予定している。国内では新たに14ホテル・2386室を計画している」

――ANAとの関係は。

 「2006年にANAとの合弁により設立した『IHG・ANA・ホテルズグループジャパン』を国内運営会社として、ANAインターコンチネンタル、ANAクラウンプラザ、ANAホリデイ・インといったANAとの共同ホテルブランドを展開している。グローバルホスピタリティ企業であるIHGと、日本の航空業界をけん引してきたANAとの戦略的パートナーシップは、双方の知識とブランド力で相乗的な付加価値をもたらしている。またホテル会員組織『IHGワンリワーズ』1・3億人とマイレージ会員組織『ANAマイレージクラブ』4千万人のスケールメリットを活用したさまざまな取り組みを通じて、国内外からの誘客を促進している。IHGとANAは、16年にジョイントベンチャー(合弁会社)を36年まで延長することを決定。また23年には長期的な戦略提携の強化に向けて、コマーシャル分野における包括協定を締結した。IHGとANAとの関係はさらに強固となった」

――IHGの日本国内展開は、2020年以降加速している。

 「47軒の開業ホテルのうち15ホテルは20年1月以降に開業。さらに27年までに14ホテルを開業する」

――具体的な開業ホテル名と時期は。

 「24年下期にホテルインディゴ長崎グラバーストリート、25年にANAホリデイ・インリゾート軽井沢とインターコンチネンタルホテル札幌、27年にインターコンチネンタル沖縄美らSUNなどを開業する。リーガロイヤルホテル大阪は、25年にヴィニェットコレクションにブランドを移行する」

――長崎は森トラスト、軽井沢は鹿島建設、札幌はアクサグループが物件オーナーだ。

 「オーナーさまとの連携で地域の活性化に貢献することを常に第一に考えている。鹿島建設はタイの『クラウンプラザ・バンコク・ルンピニパーク』のオーナーでもある。軽井沢は同社の『プレジデントリゾート軽井沢』からのリブランドで、IHG・ANAホテルズグループジャパン合同会社が同社と運営受託契約を結んだ」

――インバウンド客の回復状況は。

 「2019年は全国で需要が旺盛で稼働率も高く、ADRは徐々に上昇していた。外国人宿泊者比率は約40%だった。24年の年間累計ADRは、19年のトップ・ジオ・ソース(地域市場)であった中国市場からの需要がいまだ限定的であるのにもかかわらず19年実績を上回っている。国内全体の客室稼働率も堅調に推移している」

――好きな日本食は。

 「ざるそば。毎日でも食べられる。すしも好きだが、疲れた時や癒やされたい時にはざるそばが一番。ネギは入れずにワサビのみが良いですね」

 アビジェイ・サンディリア氏(Abhijay Sandilya) ドバイを拠点とするジュメイラグループの中東・アフリカ・東アジア開発ディレクターとしてホテル・リゾートのポートフォリオを拡大。ホイットブレッドを経て、2016年IHGホテルズ&リゾーツに入社。19年から日本における開発を担当し、安比高原リゾート、リージェント京都、ホテルインディゴの日本初上陸などの契約を締結。21年10月、IHGホテルズ&リゾーツの日本&マイクロネシア・マネージングディレクターおよびIHGとANAのジョイントベンチャー事業であるIHG・ANA・ホテルズグループジャパンCEO(最高経営責任者)に就任。

【聞き手・kankokeizai.com編集長 江口英一】

 
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