日本旅館協会は9日、東京都江東区の東京ビッグサイトで「宿泊業における適正価格とは?」と題したセミナーを開催した。船井総研デジタル(東京都中央区)執行役員・斉藤芳宜氏を講師に迎えて講演を実施し、適正価格を探る方法や値上げのためのレベニューマネジメント、顧客予算についての考え方などを解説した。
斉藤氏は冒頭、「絶対に値上げして下さい」と呼び掛け、「宿泊業界は全体的に人件費が低く、値上げしないと業界全体が幸せにならない。値上げに際しては不安等もあると思うが、『これならうちでもできる』と思ってもらえるように話したい」と意図を語った。
レベニューマネジメントについて斉藤氏は、「収益を最大化するために適切な価格設定および販売管理を行うこと」と定義。同マネジメントについての課題として(1)属人的になっている(勘と経験による職人技)(2)育成や引き継ぎが困難(3)忙しくてやりたいことが徹底できていない(4)ノウハウを持った人材がいない―の4点を上げ、人への依存度が高いうちは成果にバラツキが出やすいと指摘した。
会員向け記事です。