日本温泉協会(笹本森雄会長)は4月27日、「温泉文化」のユネスコ無形文化遺産への登録を目指して有識者による検討会を立ち上げた。元・文化庁長官で多摩美術大学理事長の青柳正規氏を座長とする委員8人と、温泉に詳しい学識経験者の専門委員3人のメンバーで、登録に必要となる温泉文化の定義や保護措置の在り方について議論する。
初会合は同日、東京都千代田区の全国旅館会館で開かれた。日本温泉協会の岡村興太郎常務副会長は「温泉地をとりまく環境は後継者不足や高齢化、コロナ禍、物価高騰などで極めて厳しい。こうした逆境に立ち向かうべく、温泉の文化的な価値を再認識し、登録の早期実現を目指したい」と述べ、委員による議論の成果に期待した。
検討会では、登録に不可欠な要素となる(1)温泉文化の定義(2)温泉文化の法的な保護措置―などについて議論する。温泉文化に関する調査、研究の実施も検討していく。検討は、2024年2月の国内候補決定、国連教育科学文化機関(ユネスコ)への提案を経て、26年11月の登録実現を目指すスケジュールを見据えて進める。
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