日本観光振興協会はこのほど、第61回日本観光ポスターコンクール専門審査会を開き、国土交通大臣賞にJRグループが出品した岩手デスティネーションキャンペーン(DC)ポスター「東北で会おう。岩手で会おう。」を選んだ。6月12日に都内で開く通常総会で表彰式を行うほか、展覧会開催も予定している。
同コンクールは、観光宣伝ポスターの質的向上と国内観光振興の促進を目的に1947年から開始。昨年は東日本大震災の影響で中止、2年ぶりの実施に。「今回は選考過程にオンライン投票を導入し、消費者の視点を取り入れた」という。
全国から234作品の応募があり、52作品が1次審査を通過。同審査会はこの52作品を対象に専門的な観点から審査し、各賞を選んだ。委員には作家の伊集院静氏やJR九州の車体デザインなどを手がけた水戸岡鋭治氏らが名を連ねている。
国土交通大臣賞を受賞したJRの作品について伊集院氏は「写真とその中にいる人々が制作の意図を超えている作品で、非常にいい」とコメント。また、「登場している地元の方々からのメッセージがストレートに伝わってきて、心が熱くなった。作品の中でも特に感動的で、文句なしのグランプリ」との高い評価を受けた。
総務大臣賞は豊後高田市観光協会(大分県)の「千年ロマンポスター『再開NIPPON』」、観光庁長官賞は久留米観光コンベンション国際交流協会(福岡県)の「久留米観光ポスター『久留米物語』」、日観協会長賞はJR東日本の「新幹線YEAR2012『MOVE YOUR HEART』」が受賞した。
久留米物語については「文章が非常にいい。キャッチコピーがボディコピーをフォローしている」(伊集院氏)と評価された。
このほか、特別賞の東北応援賞にはブナの学校運営協議会(青森県、秋田県、JR東日本秋田支社)の「世界自然遺産 白神山地」が選ばれた。
また、審査員特別賞には山口観光キャンペーン推進協議会(山口県)、奈良市観光協会、函館市観光コンベンション部ブランド推進課(北海道)の3作品が選ばれた。
国土交通大臣賞を受賞したJRグループの作品(全10枚組のうちの1枚)