医療機器メーカーの日機装(東京都渋谷区)は5日、共同研究講座を持つ宮崎大学が実施した「深紫外線LED」を用いた新型コロナウイルス変異株の不活化試験で不活化の結果を得たと発表した。一般に、深紫外線(短い波長の紫外線)は、菌やウイルスの核酸(DNA、RNA)を損傷させ、増殖を抑制し感染価を低減させることから、近年、空間や水、物体の表面を対象とした除菌製品に活用されている。
試験では、プラスチックシャーレに英国由来株とブラジル由来株のウイルス液を滴下し、同社製の深紫外線LED「SumiRay」を1秒、5秒、10秒に変えて照射した。3日間培養してから、ウイルスの不活化効果を評価したところ「両株ともに1秒で90%以上、5秒では99%以上のウイルスが不活化された」と同社。
深紫外線については、昨年7月には深紫外線LED照射により新型コロナウイルス(SARS―CoV―2)を1秒で87.4%不活化させるという同大学の研究結果が英国科学誌に掲載された。
同社は、深紫外線LEDの実用化を目指しており、「今後も医療部門機器などのパイオニアとして、ものづくりの力を高めていく」とした。