日本観光旅館連盟(近兼孝休会長、3276会員)は、現状の25支部体制を再編し、国土交通省の地方運輸局が所管する地域ブロックの単位を基本とした9支部体制に移行する。地方支部の協議が整ったことから、6月に開かれる通常総会に関係議案を提出する。外客誘致や観光地づくりなどの観光事業の推進に向けて、行政や地方公共団体などとの連携をとりやすくし、支部活動を活性化していく考えだ。
25支部のうち北海道、四国はすでに運輸局と同一単位の支部で活動しているが、日観連の支部編成は観光地や温泉地の分布、鉄道の路線などの関係から、必ずしも地方ブロックや都道府県のエリアとは一致していなかった。地域活性化に向けて観光振興が重要政策となる中、行政機関と連携して事業に取り組む際、活動単位や連絡窓口が合致しないなどの難点があった。
9支部体制では「支部連合会」の名称が使われ、それぞれに北海道、東北、関東、北陸信越、中部、近畿、中国、四国、九州の地域ブロック名を冠する。各支部連合会の下部組織として、さらに都道府県単位の「県支部」を置き、地方公共団体の単位に合わせた活動を支えるようにする。
支部再編後も当面は、地域ブロックの境界地域などに所在する一部会員は、運輸局単位とは一致しない所属をそのまま生かす。また、関東、北陸信越、中国、九州の各支部連合会では、これまでの活動状況などから、下部組織についてはすぐには都道府県単位の県支部とはせず、現行の活動単位の支部から徐々に移行するようにする。
日観連では、2003年度に支部再編を推進する方針を確認し、05年度からは支部再編支援金も交付した。役員改選の年にあたった昨年度は9支部への再編をにらんだ役員の選出方法を採用し、移行への準備を進めていた。
日観連の中村義宗専務理事は「外客誘致や地域活性化を推進する上で、運輸局や都道府県の事業に対応した地方組織の体制が必要になってきた。関係機関とタイアップした事業に取り組み、日観連の支部活動を充実させていきたい」と話している。