日越50周年で各種交流 ベトナム航空 日本支社総支配人 ゴー・シー・アイン氏に聞く


ベトナム航空 日本支社総支配人 ゴー・シー・アイン氏

旅行会社との協力関係維持 自治体連携でチャーター便

 ――日本路線の現状は。

 「2023年の冬季スケジュールでは、日本・ベトナム間で週66便以上のフライトを運航。このルートにおいて最大の座席供給数を誇っている。利用者の6割はベトナム人だ。ベトナムを経由した当社のフライトネットワークは、日本の顧客に広く利用されている。特にパリとタイへのフライトや、22年に運航開始したインド(ニューデリー・ムンバイ)への新路線は多くの日本の旅行者にご搭乗いただいている」

 ――世界中の航空会社がオンラインによる直予約を推進している。ベトナム航空と日本の旅行会社との関係性はいまどうなっているのか。

 「ベトナム航空の現在までの発展は、日本の伝統的な旅行代理店と協力し合いながら進んできた歴史に立脚している。現行の方針を大きく変えるつもりはない。引き続き、彼らとの関係を最重要視し、双方に利益のある関係を続けていきたい」

 ――現在の直販比率、OTA経由の販売比率はどのくらいか。

 「直販比率、OTA販売比率ともに約20%だ。これらの比率は、当社に限らず、おそらく全ての航空会社で年々増加している。ウェブサイトの使いやすさを向上させ、ユーザーにとって魅力的なキャンペーンを実施し続けることで、直販比率を高めていきたい。一方でOTAとの協力関係も模索中だ」

 ――日本とベトナムは1973年9月21日に外交関係を樹立し、2023年は50周年だった。さまざまな記念事業が行われた。ベトナム航空は日本の各自治体との連携でも大きな役割を果たしている。

 「11月17~19日にベトナム・クアンニン省ハロン市で『北海道フェスティバルinハロン』が開催された。それに合わせて新千歳空港とヴァンドン国際空港を結ぶ初の直行チャーター便を運航。同便には、鈴木直道北海道知事を含む255人が搭乗した。同便はベトナムから約270人の乗客を乗せて到着しており、乗客は4泊5日の北海道旅行を楽しんだ。これを機に北海道とベトナムを結ぶチャーター便の継続的な運航を目指したい」

 「24年3月には鹿児島とベトナムを結ぶチャーター便の運航も計画されている。その一環として11月21日に、当社と鹿児島県、HISの三者間で連携協定を結んだ。鹿児島県とベトナムにおけるインバウンド観光の推進を図り、観光消費の拡大を促進することを目的としている」

 「ベトナムへのチャーター便に関する同様の要望が日本全国のさまざまな地方自治体から寄せられている。私たちベトナム航空は、これらの要望に対して真摯(しんし)に対応し、日本の地方都市とベトナムを結ぶ重要な役割を果たすために努力している。私たちは、日本とベトナムの友好関係を23年の外交関係樹立50周年から次のレベルに引き上げることを重要なビジネス使命と考えている」

 ――さまざまな50周年記念イベントが日本国内でも催された。

 「当社も23年は日本各地で開催されたベトナムフェスティバルに積極的に参加した。例年の代々木、神奈川に加えて、福岡、大阪、名古屋にも参加。日本人と日本に住むベトナム人の両方にベトナム航空のサービスをPRした。ウェブプロモーションでは『ゴールデンウェディングアニバーサリーキャンペーン』を展開。結婚50周年を迎えたご夫婦にベトナムへの往復航空券をプレゼントした」

 ――在日ベトナム人の数は在日フィリピン人よりも多い。

 「日本におけるベトナム人居住者の数は52万人を超え、国別居住者数で中国人に次ぐ2位となっている。ベトナム人コミュニティは主に『留学生』と『技能実習生』から成り、日本のさまざまな都市に広がっている。このコミュニティをターゲットとするために、ANAと連携して国内線ネットワークの拡充に注力している。また他の航空会社とは異なるフルサービス体験を提供し、受託手荷物のルールを緩和するなど、ベトナム人の帰国需要に応える差別化を図っている」

 NGO SY ANH氏 ハノイ貿易大学で経済学の学士号を、ベトナム国民経済大学で経営学修士号(MBA)を取得。ベトナム国営繊維企業(VINATEX)、ペトロベトナム・テクニカル・サービス(PTSC)を経て、ベトナム航空入社。2006年11月から15年11月まで広告・ブランディング部、ネットワークプランニング部に勤務し、広告・ブランディング部副部長。15年パッセンジャーセールス部副部長、16年ラオス支社総支配人、19年5月日本支社総支配人代理、23年1月から現職。

【聞き手・kankokeizai.com編集長 江口英一】

 
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