日本銀行金沢支店は11月14日、11月の金融経済月報を公表した。個人消費の持ち直しや公共投資の増加を主因として、全体判断を2カ月ぶりに引き上げ、「一部に能登半島地震の影響がみられるものの、緩やかに回復している」とした。
個別の実体経済については、「個人消費」と「公共投資」をそれぞれ6カ月ぶりに引き上げた。消費関連では、ホテル・旅館で欧米からの団体旅行客や、10月から始まった大型旅行キャンペーン「北陸デスティネーションキャンペーン」による国内観光客の利用が伸びているとした。【記事提供:ニッキン】
公共投資は、特に能登半島地震で大きな被害を受けた地域で復旧復興関連工事などが着実に増加しており、今後もさらに増えると予想されている。ただ建設業界では、9月に発生した能登豪雨により「(工事が)振り出しに戻ってしまった感がある」との落胆の声も上がっている。
「生産」は9カ月ぶりに判断を引き下げた。事前調査はアメリカ大統領選の結果が決まる前に実施されたが、その時点で今後の米国経済の動向が不透明であり、発注側に様子見の動きが見られたため、機械メーカーへの受注はさえなかった。
能登豪雨の影響について、大川真一郎支店長は「農業や伝統工芸といった基幹産業へのダメージが目立つ。奥能登経済への影響は相応に大きく、こうした産業は一度打撃を受けると回復が困難だったり、時間を要したりするので行政上の早期対応が期待される」とした。
また震災以降、休業期間を経て事業を再開する動きが被災地にあるなか、「再開を決めかねている」事業者も一定数いる。こうした人々が再開へ向かうには「その事業者が地域で必要とされている、という認識を地域全体で共有する、または支援する側から伝えてあげることが事業者を支える力になるのでは」と語った。
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