星野リゾート(長野県軽井沢町)は18日、YouTube配信でプレス発表会「星野リゾートLIVE2023春」を行った。星野佳路代表はコロナ禍前後のイン、アウトの旅行需要の推移に触れ、新たな観光の形として「ステークホルダーツーリズム」を提唱。その一環として「星野リゾート西表島ホテル」(沖縄県竹富町)の宿泊予約を2泊以上の滞在に限定する取り組みについて説明した。
星野代表によると、コロナ下ではマイクロツーリズムの浸透やアウトバウンド需要が国内旅行に向いたことなどを受け、国内の旅行需要が活発化した。アフターコロナでは、インバウンド(約4.8兆円)が回復すると同時にアウトバウンド(5兆円以上と推定)が戻るため、海外旅行の復活に伴い国内需要の市場は一部失われると予測。現状では「アウトバウンドが意外に伸びておらず、戻りが遅いというのが肌感覚」という。その要因として、「日本のコロナに対する意識や、円安により海外旅行のコストが高まったことなどが原因の一つである」と分析している。同社施設でインバウンドの状況をみると、東京、大阪、京都の3エリアは戻りが早くなっている。「元々日本のインバウンドはアジア依存率が高く、それは19年の反省すべき点でもある」と星野氏。インバウンド回復期を迎え、欧米からのインバウンド比率を上げることの重要性についても言及した。
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