宮城、山形、福島3県とJR東日本仙台支社による春の観光キャンペーン「巡る旅、出会う旅。東北 宮城・山形・福島」が1日、スタートした。6月30日までの期間中、観光列車の運行、体験イベントなどの特別企画を実施、新型コロナウイルスや地震の影響で落ち込んだ観光需要の回復を目指す。
昨年4~9月に東北6県を舞台に「東北デスティネーションキャンペーン(DC)」を実施したが、コロナ禍の影響を大きく受けた。今キャンペーンでは「十分に伝えきれなかった東日本大震災からの支援に対する感謝の思いを改めて伝えたい」としている。
2日、JR福島駅で行われたオープニングセレモニーでは、三林宏幸JR東日本執行役員仙台支社長や木幡浩福島市長らがテープカットに臨んだ。
キャンペーンは「花」「自然・絶景」「歴史・文化」「酒・食」「温泉」「復興」の6テーマを切り口に3県の魅力を紹介する。
ラムサール条約に登録されている宮城の伊豆沼・内沼の環境保全体験、山形にある世界に類をみない空気をご神体とする空気神社のフォトジェニックライトアップ(6月1日開催)、福島では只見川の観光用乗船「霧幻峡(むげんきょう)の渡し」の手こぎ舟体験など、特別企画を用意。
3県を周遊する団体臨時列車など観光列車の運行は鉄道ファンの関心を集めそうだ。2日にはキャンペーンのスタートを記念してE655系ハイグレード車両「なごみ(和)」が運転された。このほか、「左沢線開通100周年号」(4月23、24日)や「只見線ナイトトレイン」(5月14日)などが計画されている。
4月から「駅たびコンシェルジュ」が全面開業するが、キャンペーンに合わせて南東北に関する情報発信を強化。「女将さんが語る温泉の楽しみ方セミナー」と題し、南東北を代表する温泉地の女将が旅館や地域の魅力を語る。
第1回は5月8日、宮城県の南三陸ホテル観洋の阿部憲子さんや名湯の湯鳴子ホテルの高橋弘美さんが駅旅コンシェルジュ仙台からライブ放映する。このほか、地・温泉の「湯守」が語る東北の秘湯セミナーも予定されている。
2日運行されたE655系ハイグレード車両「なごみ(和)」