訪日12.3%増の3550万人に
JTBは12月20日、2019年の旅行市場の見通しを発表した。景況感が良く、祝日も増加することから国内旅行人数は前年比1.5%増の2億9090万人と予測する。訪日外国人旅行者数は12.3%増の3550万人と推計している。
祝日はゴールデンウイークが即位関連行事の関係で4月27日から10連休となる。祝賀ムードとともに、レジャーやショッピングへの意欲を喚起すると見込む。8月は「山の日」と日曜日が重なるため3連休となるが、旧盆を含む夏休みに組み込まれる場合も多そうだ。
10月に消費税率が10%に上がるが、食料品などは8%に据え置く軽減税率や、プレミアム商品券などの負担軽減策により影響の緩和が期待される。14年の8%への増税の際には宿泊旅行は2カ月後から影響が出始めたことから、今回の増税は年内には大きく影響しないと見ている。
9月20日~11月2日にアジア初となる「ラグビーワールドカップ2019日本大会」が開催。世界のトップレベルの選手の試合が日本で観戦できることで、スポーツ観戦に注目が集まりそう。
2月に三つのホールを備える劇場型文化集客施設「COOL JAPAN PARK OSAKA」が大阪城公園内に、3月にはムーミンの世界を体験できる施設「ムーミンバレーパーク」が埼玉県飯能市に開業する。
国内旅行の平均消費額は、消費税の引き上げの影響と、旅行支出意欲の増加などから、2.0%増の3万6600円と推計。国内旅行消費額は3.6%増の10兆6500億円となる見込み。
訪日旅行が12.3%拡大する理由としては、すでに成熟市場となっている中国、韓国、台湾、香港からの訪日外国人旅行者の伸び率はやや鈍化するものの、欧米や東南アジアからの旅行者の伸びが期待されるという。
海外旅行は人数で過去最高となる1.1%増の1910万人と予測。平均消費額は前年並みの24万1600円、旅行消費額は1.0%増の4兆6100億円と推計する。