日本で顧客満足(CS)が企業経営の重要なテーマとして認識されてからすでに20年。「そのなかで、どちらかといえば後発組のANAが、CSを経営戦略の根幹に位置づけ、ブランド戦略とも結びつけた全体的なCS活動を展開して着実に成果を上げてきていることは注目に値する」と同書。
CS向上への取り組みの経緯と仕組みづくりなどANAのCSビジョン、実践、歴史、背景などを解説。客室乗務員、空港職員、パイロット、整備士など多くのスタッフに取材し、「クレームを宝の山に変える」仕組みやCSを通じて組織風土を変革する姿を紹介している。
例えば顧客満足を高めるために行っているのが「お客さまにとっていいことをしている仲間」に毎月1人1枚のカードを手渡して組織的に褒めあうこと。羽田空港で働く社員の間で始まった。この方法により、互いの行動に関心を持つようになり、「自分も褒められ、お客さまもうれしい環境」を作ることに成功した。
四六版で価格は1600円。問い合わせは生産性出版社(TEL03・3409・1132)まで。