現代旅行研究所代表で、温泉と旅、山に関する多くの著書を持つ著者が、全国各地にある“おすすめの湯治宿”77軒を紹介している。
「湯治場は古くて汚い」というイメージを払しょくしたのが秋田県の新玉川温泉。国立公園の中にあるリゾートホテルタイプの温泉宿で、和洋室合わせて210室。ひとり湯治の連泊対応としての部屋も40室ある。「玉川と新玉川を交互に毎年10〜15日来るが、血糖値が平常に下がった」との利用者の声も。
大分県長湯温泉に今年オープンしたB・B・C長湯は、自炊専門の廉価な湯治宿。「身体にいい炭酸泉の湯をじっくり味わってもらうため、費用がかからず手軽に滞在できる施設が必要」との経営者、首藤勝次さんの方針で作られた施設だ。敷地内には著者が40年かけて収集した山岳の図書1万冊を収容する図書館を併設し、長期滞在に耐えうるだけの態勢が整っている。
病で悩む人や日ごろのストレスを解消したい人、温泉研究を進める人などに薦められる一冊だ。
760円(税別)。発行=洋泉社(TEL03・5283・2013)。