「新米コンサルタント・高橋ケン」を主人公にしたフィクション。主人公の視点から再建計画の策定や経営指導など、コンサルティングの現場を見せているため、経営改善の基礎知識が分かりやすく学べる。ベーカリーショップ、製造業、建設会社、シティホテルを例に紹介している。
コンサルタントとして活動する著者の主張をまとめたコーナーでは、良い社員が集まるかは社長次第▽単年度計画と資金繰り表の提出で銀行と良い関係を築ける──など経営に役立つ情報を盛り込んでいる。「経営者に多くの気づきを与えられればうれしい」という。
巻末には(1)自社の強み、弱みを十分に認識している(2)経営者のビジョンや夢が明確で社員全員で共有できる(3)社長は会社の資産と個人の資産を明確に区分けしている──など30項目の経営診断チェックリストを掲載している。読者が改善点を確認できるよう工夫した。
会社を元気にするために日々奮闘するコンサルタントの修行日記としての側面もあり、コンサルタントの仕事を知りたい人にもおすすめ。
発行=生産性出版。186ページ、定価は1500円。