新潟県の月岡温泉観光協会は、東日本大震災の打撃を受ける観光の復興を目指し、旅行業者の送客に対して助成金を出す。7月1日から対象旅館に宿泊する旅行者を乗せたバス1台ごとに3万円を助成する。地元の新発田市が共催し、事業費の一部を負担する。官民を挙げて低迷する観光需要を回復させたい考えだ。
事業名は「つき姫復興バスプラン」と題した。旅行業者からの対象旅館14軒に対する予約が条件で、バス1台に付き20人以上の送客が必要(小学生以上を1人と数える)。助成は12月30日までで先着500台。15日に受け付けを開始した。
事業費は1500万円。負担の内訳は月岡温泉観光協会が1千万円、新発田市が500万円。官民が連携して地域観光の活性化に取り組む試みで、集客効果が大きければ事業の延長なども検討するという。
13日には、新発田市の二階堂馨市長、同観光協会の会長を務める白玉の湯泉慶・華鳳の飯田浩三社長をはじめ、市と観光協会の関係者が東京入り。全国旅行業協会(ANTA)の二階俊博会長(衆院議員)を東京・永田町の事務所に訪ね、会員旅行業への周知を依頼した=写真。観光経済新聞社の江口恒明社長も同席した。
飯田会長は「震災以降、宿泊業界も、旅行業界もともに厳しい状況にあるが、このバスプランを呼び水に観光を回復させたい」、二階堂市長も「月岡温泉の観光と新発田市の振興は運命共同体。官民を挙げて取り組むので、ご協力をお願いしたい」と要請した。
二階会長は会員への周知を約束するとともに、「助成金をもらうだけでなく、旅行業の方からも率先して送客しなければならない。月岡温泉のようにがんばっている観光地を応援する方策を考えたい」と述べた。
観光協会と市の一行は同日、東京・虎ノ門の日本旅行業協会(JATA)も訪問。プランの活用を要望した。