朝日旅行と協定を結ぶ旅館・ホテルでつくる朝日旅行協力会(会長=佐藤好億・大丸あすなろ荘社長)は19日、東京都港区の品川プリンスホテルで通常総会を開き、会の名称を「日本の旅文化を創る会」に変更すると決めた。佐藤会長は「次の世代のために会のブランドを確立させ、日本の旅文化の創造をリードする会にするため」と変更理由を強調した=写真。
朝日旅行会は466会員で組織され、日本の宿を守る会、日本秘湯を守る会、日本の食文化を守る会、日本文化遺産を守る会、日本源泉湯宿を守る会の5つの部会が、それぞれの思想のもと独立して活動を行っている。
名称変更の理由については「個から組織で戦う、ブランド力で戦う」という戦略のもと、協力会をより強固な組織にし、目的意識を明確にするためとし、定款の目的事項に定めている「旅文化の創造」を会の名称にした。
今後の活動の具体策については、ブランド力の強化や目標の明確化の他に、インバウンドの促進や部会の横断的な連携、活動をより高度なものにするための専門機関の設置などを行っていく。
冒頭、佐藤会長は地熱発電の掘削の問題にも触れ、「右肩下がりの経済状況の中でも交付金に目をくらまされていけない。地域に心を尽くしながら旅人を迎え、送ってきた過去がある。温泉や地域の環境を次の世代にどう残すのか考えなければいけない」と力強く述べた。
総会では、今年創立40周年を迎える日本秘湯を守る会が人手不足を解消するために人材の窓口を作ることや、日本文化遺産を守る会が「クラシック旅館」を朝日旅行とともに商標登録に申請したことなども発表された。
来賓として主席した井沢啓朝日旅行社長は、会の名称変更について「会員の宿に対する想い、ブランドに価値がある。生き残るためには個では戦いにくい時代。それぞれの部会のブランドを一つにまとめてもっと大きな一つのブランドとして戦っていきたい。みなさんと変革に向けて挑戦したい」とさらなる結束を求めた。