
コロナ禍も五輪で注目集まる
米国の大手旅行雑誌「コンデ・ナスト・トラベラー」の読者投票ランキングの2021年版の結果が5日に発表され、「世界で最も魅力的な大都市トップ10」の1位に東京、2位に大阪、3位に京都が入った。日本の都市が上位3位を占めるのは初めて。また、国別のランキングでは日本が3位となった。コロナ禍で訪日観光が途絶えているが、東京オリンピック・パラリンピックの成功もあり、東京、日本が注目されたとみられる。
大都市のランキングでは、東京は前年が6位だったが、2年ぶりに1位となった。大阪はランキング圏外だったが、2位に順位を上げた。昨年1位の京都は3位だった。
1位に選出された東京都の小池百合子知事は「東京は過去に例のない困難な状況で開催された東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を、世界中の皆さまのご支援、ご協力を賜りながら、精緻な運営と徹底した感染防止策によって成功へと導いた。こうした大会のレガシーをもとに、東京の都市としての魅力をさらに磨き上げ、コロナ禍を乗り越えた先に、海外から多くの方々を東京にお迎えしたい」とのコメントを発表した。
都市別で東京が1位、国別で日本が3位となった背景について、日本政府観光局(JNTO)は、東京オリンピック・パラリンピックの開催がプラス要因になったとみている。加えて、世界遺産に「北海道・北東北の縄文遺跡群」と「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」が登録されたことも旅行先としての多様な魅力の認知につながったと分析した。
JNTOの清野智理事長は「新型コロナウイルス感染症の影響で旅行自粛を余儀なくされた米国の旅行業界では国内需要が戻りつつあり、訪日機会を待ち望む声も増えている。東京オリンピック・パラリンピック競技大会の会期中には多くのメディアで日本が取り上げられるなど、米国における日本の注目度はますます高まっている」と指摘した。
大都市のランキングは米国の都市は対象外。他の順位は、4位シンガポール、5位イスタンブール(トルコ)、6位メリダ(メキシコ)など。国別のランキングは、1位がポルトガル、2位がニュージーランド、4位がモロッコなどだった。
「コンデ・ナスト・トラベラー」は、旅行、ホテル、レストランなどの情報を掲載。高所得者層を中心に読者数は約300万人という。
また、「コンデ・ナスト・トラベラー」と並ぶ米国の大手旅行雑誌「トラベル・アンド・レジャー」が9月に発表した読者投票の人気観光都市ランキングでも京都が5位に入った。