12年春に東京都墨田区に開業予定のテレビ用電波塔、東京スカイツリーの最高部の高さが当初予定していた610メートルよりも高い、634メートルとなることが16日に発表された。同日会見した東武タワー東京スカイツリー(東京都墨田区)の宮杉欣也社長は、「一度は『高さ世界一』になって、日本の技術力の高さと共にその名を発信したい」と力強く語った。
同日東京都墨田区の東武ホテルレバント東京で宮杉社長が明かした。中国・広州に来年開業予定の「広州テレビ・観光塔」が同じ610メートルの高さとなることからアンテナを取り付け部分を伸ばし、開業時に「世界一の高さの自立式電波塔」とする。最高部の高さは、覚えやすいよう関東地方の旧名「武蔵」の読みから、634(むさし)メートルとした。
スカイツリーは08年7月に着工。今年4月から鉄骨部分の組み立てに入っており、現在174メートルの高さに達している。
「粋」「雅」テーマに日替わりで照らす
東武タワー東京スカイツリーは16日、東京スカイツリーのライティングデザインを発表した。「粋」「雅」をテーマに江戸・東京の下町の歴史文化を表現する2種類のデザインを設定し、1日交代で色を変化させる。LEDライトを活用するなど環境に配慮し、将来にわたって長く愛されるタワーの演出を図る。
意匠を担当したライティングデザイナーの戸恒浩人氏は、「地域性」「歴史性」「環境時代にふさわしい象徴性」に着目。会見では「江戸、東京に生きた先人、今を生きるわれわれ、将来を生きる人たちのすべての心に響くようなデザインを目指した」と話した。
粋をテーマとしたライティングでは、隅田川の水をイメージした淡い青色の光でタワーの心柱を照らし出す。雅テーマのライティングでは、江戸に縁の深い色「江戸紫」をメーンカラーに金箔のようなきらめきのある光を散りばめた。いずれも富士山の冠雪をイメージさせる光と、一定の速さで回り続けて時間を刻む光を併用する。
またLEDなどの長寿命、高効率の光源や、光と影の部分が一体となって全体像を表すデザインを採用することで、省エネルギーと美しさが共存するライトアップの実現を目指す。
雅のライティング